熊が大量発生する夢。
地元の農家たちは次々に犠牲となり、次第にみんな外に出ることすらままならなくなる。
外をうろつきまわる熊たちは畑を荒らし放題、畑の食料が底を付くと、いよいよ民家にガラスを割って侵入し始める。
うちら一家は被害状況を把握しようと、果敢にも外に出て、畑を見回りしていたが、熊の気配が多くなり始めた辺りから、家に避難し始める。
しかし家へ帰ってみると、ガラスがバリバリと何枚も割られていた。
俺は嫌な予感がして二階に避難。
ばあちゃんとじいちゃんにも二階に避難するように促すが、彼らは「ガラスが割れちょっどー」と言って、1階で割れたガラスを塞ごうとしていた。
そのうち不穏な声が聞こえてきた。
声の主はじいちゃんとばあちゃんだった。俺は気になって1階に顔を下ろすと、二人しかいないはずの家内で、3つの影が風呂場方面に動いていくのが見えた。
じいちゃんのものと思わしき、ひきつった声も聞こえた。
直感で、熊だ!と感じ、助ける勇気もなく、見動きができなくなる。ガタゴトと、ものが倒れるような大きな音と呻き声が聞こえたので、俺は状況を悟った。
しばらくすると玄関がガチャっと開き、母さんが帰宅してきた。「早く二階へ!」と諭すも、いつも通り根拠のない自信で、俺の言葉を聞かず、熊と鉢合わせしてからようやく二階へ上がってきた。しかしもう手遅れだった。
クマを刺激しないために、ゆっくり平常心で二階へ上がってくる母に対して、クマは早歩きでもう母に追いつこうとしている。母は後ろを振り返らないのでそれに気づかない。
俺は部屋の扉を開けて待機していたが、部屋の扉手前ですでにクマが飛びかかろうとしていたため、俺は熊を追い払うために木刀で熊を一撃。しかし熊にひらりと避けられ、母に当たってしまう。たぶん母はそのとき食われたと思う。
俺は母のことを気に病みながら、扉を閉めて、二階の窓から飛び降りることを考えたところで目が覚めた。